こんにちは、今回は「夷険一節(いけんいっせつ)」という言葉をご紹介します。
ひたすら逃げていた私
この言葉を意識する前は、直面している困難からひたすら逃げるという生活を送っていました。
上手くいかないのを他人のせいにして、自分は環境さえ良ければきちんとできるんだと誤魔化しながら生きていました。
勉強も人間関係も順調とはいえず、自分はどうしようもない人間だと半ば気付いていたとは思います。
当時は成績もそこまで芳しくなく、結局ダラダラ過ごしてしまったせいで第一志望の大学も落ちてしまいます。
とはいえ、大学に落ちたこと自体はそこまでショックではありませんでした。
ダラダラしている自分に内心気付いていましたし、寧ろ開き直っていた部分があったからです。
本当はもっと危機感を覚えないといけなかったのですが、当時の自分は周りから何を言われても心を入れ替えることはなかったです。
元来、私は特段努力を重ねなくとも上手く行くようなことが多い人間でした。
本当は周りの人々の支えがあったから上手く行っていただけに過ぎないのですが、そのようなことは全く思いもしなかったです。
一言で言えば、調子に乗っていた部分はあったと自覚しています。
ただし、人生というものはそこまで甘くもなく、高校生に入った辺りから同級生に遅れを取っているように感じました。
その状況に言い訳しつつも、心の中では悔しい気持ちでいっぱいでした。
そのような気持ちを抱えつつも、何となく努力している自分を見ると格好悪いという偏見も持っていたのです。
総括すると、このときの自分が最も人間的に至らなかったです。
自分で努力することもできず、周りの同級生に苛立ちを覚えていました。
そのくらい責任転嫁をしたかったのでしょう。
ヒーローになれた
このような悩みを抱えていた自分を変えたのが、「夷険一節」という言葉でした。
あまり広く知られている言葉ではありませんが、この四字熟語は順調・逆境関係なく信念を変えてはならないという意味を持ちます。
私の高校時代はまさしく逆境の連続でした。
ヒーローになることもありましたが、振り返ってみれば失敗の積み重ねだったと感じています。
この言葉を知ったのは第一志望校に落ちた大学受験の頃でした。
せめて後期の受験は通らないといけないなと思ったのですが、全くもって自信がない状態で大学に行かないことも頭に入れていました。
その頃、たまたまテレビを見ていたら座右の銘を持っている芸能人が多いという事実を知りました。
興味本位で私も座右の銘をインターネットで探してみました。
それで「夷険一節」という言葉を発見し、何故かその言葉に強く惹かれるようになります。
「夷険一節」を掲げると、私の心の中で闘志が燃えました。
この逆境を精一杯楽しんでやろうとパワーがみなぎってきたのです。
私が後期受験で受ける予定の大学は、定員3名のところに60名が集まるという倍率の高いところでした。
ただ、勉強を心の底から楽しんでいたためか、不思議と自信に満ち溢れていました。
その自信は全くの偽りではなく、私は見事倍率の高い試験を合格で切り抜けることに成功します。
それから私は「夷険一節」という座右の銘を常に掲げてチャレンジをしてきました。
公務員試験も一発合格を果たし、大学卒業後は市役所に勤めました。
現在は転職し、フリーランスとして生活していますが、「夷険一節」という言葉は変わらず座右の銘にしています。
勇気を持つだけで
今の人生に悩んでいる方は、とりあえず自分自身を卑下しないことが重要です。
私は確かに高校生時代は怠けていました。しかし、これは自分が単純に好きだったから怠けていたわけではなく、自分自身を認めなかったことが要因だと考えています。
自分を好きになることは意外にも簡単ではありません。なぜなら、自分を好きになると「ナルシスト」という烙印を押されてしまうからです。
ただし、私はこのような風潮が間違いだと感じていて、自分自身を好きにならなければきちんとした自己評価はできないと考えます。
以上から、人生に悩んでいるのであれば、まずは自分を受け入れられるように考え方を改めましょう。
そして、人生というものは頑張り方次第でどうにでもなります。
人生も景気の流れと同じで上下移動を繰り返します。上手くいくこともあれば、失敗して落ち込む日が繰り返されるのもまた人生です。
僕は高校時代がどん底に落ちていた頃だと思います。もしかすると、今後の人生では更なる壁が立ちはだかるかもしれません。
万が一、どうしようもないくらい苦しい状況が続いたら、自分がなりたい姿を思い浮かべましょう。
自分を好きになり、理想像を思い浮かべたらそこに向かって信念を曲げずに進むだけです。
生きている限り、人生は幾らでもやり直しができます。
どのような状況でも節操を持って生きていけば、成功や失敗に関わらず多くのヒントが得られます。
そこで少しずつ方向修正をしていくようにしましょう。
自分の進みたい方向へ、堂々と歩ける方はあまり多くありません。
その勇気を持つだけでも、しっかりと前進していけるのです。